この記事では、訃報を伝える際のマナー、LINE・メール・電話・SNSでの具体的な例文、避けたい言い回しなどを詳しく紹介しています。
身内や大切な人を失ったとき、自分自身も動揺している中で、周囲へ連絡をするのはとてもつらい作業です。しかし、訃報をきちんと伝えることは故人への敬意であり、相手への思いやりでもあります。
「どこまで伝えればいいのか」「どんな言葉を使えばいいのか」など、迷いながらも、できるだけ丁寧に、落ち着いて連絡することが大切です。
訃報を伝える際に知っておきたい基本マナーと注意点
誰に、どこまで伝えるかの判断基準
訃報を伝える際は、「誰に伝えるべきか」という点に多くの人が迷います。
基本的には、故人と関係の深かった方々へは可能な限り直接伝えるのが望ましいです。
具体的には、家族や親戚、親しい友人、地域の知人、そして職場の同僚や上司などが対象となります。
このとき、関係性の深さや連絡の必要性によって、優先順位をつけて連絡を取ることも大切です。
訃報の伝達は、誰かに任せず、自分が直接連絡するべき相手かどうかを見極めて判断しましょう。
また、遺族全体の方針や故人の希望がある場合は、それを第一に尊重しましょう。「身内だけで静かに送りたい」「一部の親族や友人のみで葬儀を行いたい」など、近年は家族葬など形式も多様化しており、その方針に合わせて、伝える内容や表現も調整する必要があります。
タイミングに注意｜できるだけ早めに伝える
訃報の連絡は、何よりも「タイミング」が重要です。特に、葬儀や通夜などに参列をお願いしたい相手には、できるだけ早く、かつ正確に情報を伝えることが求められます。
日程や場所が未定でも、その旨を添えて早めに一報を入れることで、相手も予定を調整しやすくなります。
SNSやネット掲示板などで先に情報が広まってしまうこともあるため、親しい方や近しい関係者には、なるべく本人の口から直接伝えるようにしましょう。
万一後回しになってしまった場合でも、「できる限り早くお伝えしたかったのですが…」と一言添えるだけで、気遣いの気持ちは伝わります。
伝え方の手段別マナー（電話・メール・LINE）
訃報を伝える手段としては、相手との関係性や状況に応じて適切な方法を選ぶことがポイントです。
電話
もっとも直接的で、誤解なく伝えられる手段です。
親しい間柄や、重要な関係者にはまず電話で連絡を取りましょう。声のトーンや言い回しにも注意し、動揺しながらでも丁寧な言葉を心がけると好印象です。
LINEやメール
近年ではメールやLINEでの訃報連絡も一般的になりつつあります。
ただし、ビジネス関係や目上の方にはややカジュアルすぎる印象になることもあるため、文面は慎重に整える必要があります。
冒頭に簡潔な挨拶を添えると丁寧な印象になります。
文章で伝えるときの配慮
文章だけで伝える場合、言葉が淡白に見えないよう注意が必要です。
「突然のご連絡を失礼いたします」「心苦しいお知らせとなりますが」といったクッション言葉を使い、相手への思いやりを文中に込めましょう。
伝える手段そのものよりも、どれだけ心を込めて対応できるかが大切です。
使う言葉に注意｜訃報を伝えるときの適切な表現と避けたい言い回し
よく使われる訃報関連の表現
訃報を伝える際には、故人への敬意や、受け取る相手の心情への配慮が求められます。だからこそ、使う言葉には細やかな注意が必要です。
以下に、よく使われる訃報表現をいくつか紹介します。
- 亡くなりました
- 逝去いたしました
- 他界いたしました
- 永眠いたしました
- 旅立ちました（やや柔らかで、親しい間柄で使用）
- 静かに息を引き取りました（穏やかな印象を与える表現）
「お亡くなりになりました」は相手のご家族や他人に対して使う丁寧語ですが、自分の家族に対して使う場合には「亡くなりました」や「逝去いたしました」が一般的です。
特にビジネスの場や文書で使う際には、「逝去」や「永眠」などの表現を選ぶと格式が保たれます。
また、「旅立ちました」や「静かに息を引き取りました」といった表現は、少し感情的な響きを持たせつつ、やさしく伝えるニュアンスを含んでいます。
親しい友人への連絡など、柔らかく伝えたい場合にはこういった言い回しも効果的です。
避けるべき言葉や表現
訃報を伝える際には、相手に不要なショックや不快感を与えないよう、以下のような表現は避けるのが一般的です。
- 「死んだ」「急死した」「いなくなった」などの露骨でストレートすぎる表現
- 「とうとう…」「ついに…」「やっと…」などの感情を強く煽る言い回し
- 「死因」を詳しく語るような表現（特に、聞かれていない場合）
これらの言葉は、相手の感情を刺激しすぎたり、不謹慎に捉えられたりする可能性があります。
特にLINEやメールなどの文面では、言葉だけが単独で伝わるため、より慎重な言葉選びが重要です。
伝える内容は事実であっても、どう伝えるかで印象は大きく変わります。
少し遠回しでも、「お知らせがあり…」や「心苦しいご報告ですが…」といった表現を添えるだけで、相手への配慮が伝わる文になります。
大切なのは、正しい情報を正しく伝えることではなく、相手にとって受け取りやすい形で、やさしさと敬意をもって伝えることです。
亡くなったことを伝えるときの文章例（LINE・メール・電話）
LINE・メールで訃報を伝える場合の例文
【親戚向けの例文】
件名：訃報のお知らせ
突然のご連絡をお許しください。〇〇（故人の名前）が〇月〇日、永眠いたしました。生前のご厚情に深く感謝申し上げます。
なお、葬儀は近親者のみで執り行う予定です。落ち着きましたら、改めてご挨拶させていただきます。
【友人向けのややカジュアルな例文】
急なご連絡でごめんなさい。実は〇〇が〇日に亡くなりました。突然のことで、私たちもまだ気持ちの整理がついていません。
落ち着いたら改めてご連絡させていただきますが、取り急ぎお知らせまで。
【会社関係者・上司向けの例文】
件名：訃報のご連絡
このたび、弊社〇〇（肩書き）が〇月〇日に逝去いたしました。生前賜りましたご厚情に、心より御礼申し上げます。
葬儀は家族葬にて執り行われる予定です。
電話で訃報を伝えるときの伝え方
- 「突然のお電話で失礼いたします。実は、〇〇が〇日に亡くなりました。」
- 「ご報告が遅れて申し訳ありません。〇〇が他界いたしましたことを、お伝えさせていただきます。」
電話では感情がこみ上げることもありますが、丁寧な言葉で誠実に伝えることが最も大切です。
SNSで伝える場合の表現（家族代表として投稿する際）
〇〇の家族です。
突然のお知らせとなりますが、〇〇が〇月〇日に永眠いたしました。
生前にご縁をいただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。なお、葬儀は親族のみで執り行いましたことをご報告申し上げます。
SNSでの訃報発信は、家族の方針により慎重に判断しましょう。
突然の訃報をどう伝えるか？気持ちの整理がつかないときの対応
身近な人が急に亡くなると、その衝撃はとても大きく、気持ちの整理がつかないまま時間だけが過ぎていくことも少なくありません。
悲しみや動揺が大きくなるほど、何をどう伝えたらよいのか分からなくなり、言葉を選ぶ余裕も持てない状態になりがちです。
そんなときに無理をして完璧な文章を考えようとすると、かえって自分を追い込んでしまうことがあります。
大切なのは「きちんと伝えなければ」ではなく、「心を込めて伝えること」。
たとえば、「取り急ぎご報告まで」や「まずはお知らせだけでも」といったシンプルな表現でも十分です。
形式ばらなくても、相手に「気持ちを届けようとしている」ことが伝われば、それでよいのです。
また、自分の気持ちが落ち着くまで時間がかかる場合は、「後日あらためてご連絡いたします」と添えても良いでしょう。無理にすべてを一度に伝えようとせず、まずは一歩、簡単でも誠実な一報を届けることが何より大切です。
言葉が少なくても、誤字があっても、声が震えてしまっても構いません。伝えたいという気持ちがこもっていれば、それは必ず相手の心にも届きます。
訃報連絡後の対応｜知らなかった人から後日連絡が来たら？
連絡を受けていなかった方から、後日何気ないやりとりの中で連絡が来ることはよくあります。
そのとき、「どうして教えてくれなかったのか」と責められるのでは…と不安になるかもしれませんが、多くの場合、相手は知らなかったことに驚いているだけです。
こういった場合も、焦らず、落ち着いて丁寧に事情を伝えましょう。
突然のお知らせになってしまうことに対して、申し訳ない気持ちを込めることが大切です。
たとえば、以下のような文面で構いません。
ご連絡ありがとうございます。
実は〇月に〇〇が他界いたしました。ご報告が遅れ、大変申し訳ありません。あまりにも突然のことで、私たちも気持ちの整理がつかず、ご連絡が行き届かなかったことをお詫び申し上げます。
特に葬儀を家族だけで行った場合や、急な訃報だった場合は、知らせるタイミングを逃してしまうこともあります。
そうした事情も添えることで、相手もきっと理解してくれるはずです。
葬儀後に個別でご報告するのは、決して失礼なことではありません。むしろ、ひとりひとりに丁寧に伝えようとする姿勢こそが、誠実な対応と言えます。
相手の驚きや戸惑いにも寄り添いながら、感謝とお詫びの気持ちを忘れずに伝えることで、円滑なコミュニケーションが保たれます。
まとめ
訃報を伝えることに正解はありません。どんなに丁寧な言葉を並べても、うまく伝えられないこともあるでしょう。
しかし、相手を思い、故人を想い、心を込めて伝えることが一番の供養です。つらくても、その一歩がきっと周囲の人にも、そして自分自身にも、静かな安心をもたらしてくれるはずです。
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