夏のお祭りと言えば日本三大祭のひとつ、
大阪の天神祭(てんじんまつり・てんじんさい)が始まります。
大阪らしい活気あふれる「天神祭」は、本宮の派手な印象が強いのですが、
実は6月の下旬から約1ヶ月かけて行われるお祭りです。
天神祭とはどんなお祭りで、どこで開催されるのか?
見どころや魅力をご紹介します。
天神祭の歴史はかなり古く波乱万丈だった
天暦5年(951年)旧6月より、
大川に神鉾(かみほこ)を流し、辿り着いた場所に祭場を作り、
厄を払う祭事をしていたものが、天神祭の元とされています。
また、旧6月25日に祭場へ船で奉迎したことが船渡御(ふなとぎょ)の起源となっています。
室町時代の宝徳元年(1499年)には、7月7日に天神祭が行われたとの記録があり、
戦国時代の記録では、天正14年(1586年)に、
菅原道真の生誕にちなんで、旧暦6月25日に天神祭が行われたそうです。
江戸初期に入ると、疫病が流行ったり長州征伐などの影響で、
度々、鉾流神事が中止される事がありました。
昭和5年(1930年)には、鉾流神事を復活する事ができましたが、
何度となく中止をする事がありました。
それでも第二次世界大戦後の昭和24年に、船渡御が再開しましたが
地盤沈下の影響で、御旅所への航行ができなくなり翌年の昭和25年に中止となりました。
しかし、歴史のある天神祭を続けるために、
大川を上流にさかのぼり、新しいコースを航行することで
船渡御を復活させる事ができました。
それ以来、距離を少しずつのばしながら船渡御を行っています。
波乱万丈な歴史を持つ天神祭ですが、
鉾流神事(ほこながししんじ)や船渡御(ふなとぎょ)を迎える前に、
様々な行事を行っていきます。
宵宮や本宮を迎える前に行われる主な行事や、
見どころと、奉納花火をご紹介します!
天神祭の各種行事
ではさっそく、天神祭の行事を順番にご紹介していきます。
装束賜式(しょうぞくたばりしき)
6月下旬の吉日に、任命式を行います。
宮司さんから辞令を受け、斎戒と言って、祭りまでしてはならない事など
諸役を務めるために、心構えなどを話されます。
7月7日天満天神七夕祭(天神祭前儀)
平成7年7月7日、天満天神七夕祭が約400年ぶりに復興されました。
鉾流神事で使用される、人型の形代などをお供えします。
夜には、無料参加でも本殿前庭にて「諸願成就祈願祭」の集団ご祈祷をしてもらえます。
7月22日 伏見三十石船献酒式
「伏見三十石船 献酒式(ふしみさんじゅうこくせん けんしゅしき)」を行います。
天満宮へ伏見の銘酒樽を奉納するために、三十石船を見立て、淀川を下ります。
天神橋に着いてからは行列を作り、唄いながら天満宮まで向かいます。
7月23日 御羽車巡幸祭
23日になるとイベントが盛りだくさんになってきます。
「御羽車巡幸祭(おはぐるまじゅんこう)」は、神様が北にお渡りになる巡行となります。
大阪天満宮本殿からスタートして、 天神橋筋商店街を通り、天神橋筋六丁目へ向かいます。
天神橋筋4丁目あたりで、ギャルみこしと手打ちをします。
ギャルみこし
「 御羽車巡幸祭」の後は、
「ギャルみこし」が天神橋筋4丁目にある「夫婦橋」からスタートします。
天神祭を盛り上げる為に、1981年から始まりました。
天神橋筋商店街を華やかに巡行してくれます。
山陰流儀式庖丁奉納
「山陰流儀式庖丁奉納(やまかげりゅうぎしきほうちょうほうのう)」は、
大阪天満宮の本殿にて行われます。
神様にお魚の「鰹」と「鯉」を、山陰流の作法で調理し奉納します。
北新地巡行
夜は、北新地上通りと本通りを「鳳講・天神講獅子」が巡行します。
当日19:00~22:00まで車両通行止めとなりますのでご注意下さい。
7月24日 催太鼓宮入
大阪天満宮の正門が開かれ、
天神祭の夜明けを知らせる「一番太鼓」や「龍踊り」などが早朝4:00から始まります。
7月24日 宵宮祭
大阪天満宮の本殿にて、朝から「宵宮祭」がとり行われます。
鉾流神事
宵宮祭の後は、「鉾流神事」を行う斎場へ、行列を成して向かいます。
鉾流橋の斎場から、堂島川の中ほどまで、斎船(いつきぶね)を出します。
船の上から、神鉾を流して神にお伺いを立て、天神祭がスタートします。
宵宮祭水上薪能
帝国ホテル大阪前にて、18時頃から開催します。
舞台船の上で、薪能(たきぎのう)を上演するのですが、
前後では、舞台船の周りを「どんどこ船」や「人形船」などが盛り上げてくれます。
催太鼓宮入り
巡行に出ていた「催太鼓」が、天満宮へ向かいます。
天満宮の手前では、勢いある太鼓が見ものの「からうす」を行います。
獅子舞宮入
催太鼓が宮入りした後は、「獅子舞」「傘踊り」「四つ竹」が続きます。
数百人の人達が、色とりどりの衣装に身を包み、
踊りながら宮入りをして行きます。
さて、いよいよ本宮祭のご紹介です。
7月25日 本宮祭
無病息災・市民の繁栄を祈願する祭事を行います。
神霊移御祭
渡御の準備として「神霊移御祭(しんれいいぎょさい)」を行います。
無事に終了すると、催太鼓が始まります。
陸渡御
本殿にて、御神霊を御鳳輦(ごほうれん)に移されたら
いよいよ「陸渡御(りくとぎょ)」の始まりです。
乗船場のある「天神橋北詰」へ向かい、およそ3,000人の大行列が歩いて行きます。
コースは、「老松町通 → 新御堂筋 → 市役所北側 → 心斎橋北詰」となり
それぞれの場所で、目を離せないパフォーマンスがありますよ。
船渡御
18:00から船渡御が始まります。
「上流側(飛翔橋付近)」と「下流側(天神橋付近)」のふた手に分かれます。
大川を行き交いながら、華やかな船上パレードが行われます。
奉納花火
19:00~21:00の間に、約4,000発の打ち上げ花火が始まります。
「天神祭奉納花火」は本宮祭の見どころの1つです。
JR桜ノ宮駅近くの桜宮公園中央広場周辺では、夜店が多く出て賑わっています。
花火の観覧場所は、次の章でまとめています。
還御祭
22:30頃に「還御祭(かんぎょうさい)」が行われます。
大阪天満宮本殿から神様がお帰りになり、祭りは終わりへと向かいます。
長い期間をかけて、丁寧に盛大に祭事を行う天神祭。
本宮祭のお楽しみの「奉納花火」を観覧できる場所をご紹介します。
天神祭奉納花火が見れる場所と最寄り駅
奉納花火が堪能できる場所と、最寄り駅をご紹介していきます。
大川の東岸
【JR桜ノ宮駅】桜の宮公園や源八橋の最寄駅です。
桜宮公園中央広場あたりには、たくさんの夜店も出ています。
桜宮橋の北側は、花火を大迫力で観賞できる人気の場所となっており、
場所取りは早い時間帯から始まります。
★桜宮橋の南側は、視界に橋が入るので少し穴場となっています。
★源八橋の東側や、藤田邸跡公園前も穴場スポットになっています。
注意
18時頃から、大川に架かる橋は交通規制がかかります。
川崎橋は18時より通行止めになり、人も増えますのでご注意下さい。
大川の西岸
【京阪/地下鉄 天満橋駅】
京都方面や中之島方面から来る場合に便利な駅です。
船渡御の観覧席に一番近い駅になります。
【JR大阪城北詰駅】
穴場な場所で、大川すぐ東あたりになります。
神戸、宝塚方面からのアクセスにも便利です。
「レジデンスタワー東側の公園」
打ち上げ場所から近く、迫力ある花火を観賞できます。
半円形の広場になっていて、階段もあるので座れる為、
すごく人気の場所になっていますので混雑しています。
「OPAタワー周辺」
OPAタワー付近も、階段に座って花火を見ることができます。
仕掛け花火が見えにくいので、西側は穴場スポットになっています。
★シートなどで場所取りをするのは、NGとなっています。
★芝生は立入禁止になっています。
隠れスポット
都島橋や飛翔橋周辺の両岸では、船渡御と奉納花火の両方を観ることが可能。
どの場所に行っても、奉納花火を観たい人で混雑しています。
それでも、現地で天神祭や奉納花火を観るんだ!
と、言う場合の注意点をまとめておきます。
現地での待ち合わせは避けよう
当日に、現地の最寄り駅で待ち合わせをする場合には、
夕方の15時までには合流する方が無難です。
夕方に待ち合わせをするなら、JRなら大阪駅や天王寺駅など、
現地から離れた場所で、待ち合わせをして合流すると安全だと思います。
夕方に、桜ノ宮駅や天満橋駅で待ち合わせをすると、
人が溢れて合流できない可能性もありますので注意して下さい。
出かける際には、服装や荷物にも注意が必要です。
浴衣姿で歩いている女性もいますが、かなり気合いが必要になります。
歩きやすい靴・服装・肩掛けバッグは、必須スタイルと言えます。
蒸し暑い大阪ですので、熱中症予防に、お水を準備していると安心ですよ。
小さなお子様が居る場合は、外出は控えた方が安全かと思います。
関西ローカル「大阪テレビ」では、天神祭の生中継を毎年放送していますので、
お家からテレビ観賞が安全だと思います。
体力の落ちた私は、今年の天神さんも鱧の湯引きを食べながら
大阪テレビで堪能する予定です♪
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